JR高槻駅から北西に歩いて5-6分のところにあります。
入場は無料で研究員の方でしょうか、丁寧に説明して戴きました。
生命科学でなく、生命史でもありません。
研究所ではなく、研究館です。
創設に関わられた現 中村桂子館長の色々な考えの中から閃いた拘りの名称“生命誌研究館”です。
生物の進化や多様性、又生命そのものについても特別のお考えがあるように感じられる展示でした。
中でも小生はDNAに関するものに一番興味を持ちました。
ゲノムDNAは生命の歴史アーカイブです。生命誕生以来、38億年の歴史が刻まれています。
ところで歴史とはどの様にして調べられるかといいますと、
1. 文献(文字で書かれた資料)
2. 遺物(建物・文化財・遺物・遺跡)
3. 伝承(風俗・習慣・儀式)
4. 骨
とありますが、DNAの解読が進んで、4. 骨 によるゲノムDNAから判る歴史が面白いと思います。
まず、
①交配を重ねた代の数から年代が判ります。
②人でいえば種族による特徴と地域が判ります。
例として、1000年頃に中近東でモンゴル人種との交配が目立って増えているところがあります。
チンギスカンと思われる様な人物の活躍でしょうか、モンゴル帝国の時代と版図の大きさが判ります。
又、日本の縄文時代とラオスのDNAが一致することが判りました。35000年頃前、日本人の源流です。こんなことも判ります。
ある地域では家族の墓地で全員に通ったゲノムDNAで女性だけが家族と異なっていることから、この村では女の人が嫁入りしてくる風潮だなと窺えたりします。
生かじりでお話ししましたが、興味がある方はこんな本で勉強されたらどうでしょうか?
中村桂子 「ゲノムが語る生命」
「ゲノムが見る夢」
萩原清文 「好きになる分子生物学」
AASJ ホームページ論文集
福岡伸一 「生物と無生物のあいだ」
難しいところは飛ばして拾い読みしています。JT生命誌研究館はもう一度訪ねてみたいと思っています。
R2.2.7
株式会社 廣電 代表取締役会長
廣瀬裕平